おかげさまで私たちの記録集「海のプロセス−言葉をめぐる地図(アトラス)」は、多くのご注文をいただいております。心より御礼申し上げます。
せっかくの機会ですので記録集の中身を少しご覧に入れたいと思います。
井川淳子、中根秀夫、平田星司、福田尚代、各作家の作品は、坂田峰夫さん撮影の美しい写真で見開きページに構成しました。

左2 点:すべての昼は夜 2014年 ゼラチン・シルバー・プリント
右3 点:バベル 2009年 ゼラチン・シルバー・プリント
left (two): All Days Are Nights 2014 gelatin silver print right (three): Babel 2009 gelatin silver print
撮影:坂田峰夫

白い日 2016年 鏡(サンドブラスト)
A White Day 2016 mirror (sandblasting)
もういちど秋を 2016年
映像・インスタレーション(40:56) 詩・朗読:武田 多恵子 音楽:かみむら 泰一(本展ではサイレント)
Try to Remember 2016 video installation (40.56 min.) Words and Reading: Taeko Takeda, Music: Taiichi Kamimura (Silent for this exhibition)
撮影:坂田峰夫

海のプロセス 2017年 海辺のガラス片、木材
Process of the Sea 2017 glass fragments picked up from beach, wood
撮影:坂田峰夫

エンドロール 2016-2017年 雁皮紙、墨
End Credits 2016-2017 Japanese paper, Indian ink
撮影:坂田峰夫
光田ゆりさんは、私たちの展覧会に「波の中の砂 プロセスの海」という美しい文章を寄せてくださいました。展覧会タイトルの「海のプロセス」は、平田星司の作品のタイトルでもある極めて「詩的」な言語なのですが、そのタイトルを「プロセスの海」と反転させることで、豊かな水流を感じさせる「プロセスの概念」を浮かび上がらせるという、ここ数年の単位で見ても美術評論の傑作と断言できます。

梅津元さんのトーク「霧のシステム–粒子をめぐる銀河(コスモス)」は、展覧会タイトルの「海のプロセス−言葉をめぐる地図(アトラス)」に呼応するもう一つの層として、あるいはカウンターパートとして与えられたテーマです。1時間半のトークを記録集に収めるにあたり、新たに註を詳細に振り直し、ひとつの読み物として楽しんでいただけるように工夫しました。
梅津さんのフォーマリズム・トークは定評のあるものなのですが、今回は「音楽/映像」をプロローグ、インターセクション、エピローグに置くという、彼にとっても初めての試みでもあります。これらの「音楽/映像」はホームページに連動されていますので、ぜひこちらもご覧になってください。
https://process-of-the-sea.hideonakane.com/atlas/catalogue/

講演者 梅津元
展覧会は10日間で3500名と、多くの方々にお越しいただいたのですが、展示をご覧になった方だけでなく、美術を愛する全ての皆様にこの記録集を手にとっていただければと思います。私たちの「言葉をめぐる地図(アトラス)」がまだ見ぬ多くの方々にあまねく行き渡りますように。どうぞよろしくお願いします。
販売サイトはこちら
http://side-b.hideonakane.com/side-b/catalogue/
記録集『海のプロセス−言葉をめぐる地図アトラス』
[出品作家] 井川淳子 中根秀夫 平田星司 福田尚代
[企画] エステティック・ライフ(中根秀夫 平田星司)
[テキスト] 光田ゆり
[トーク] 梅津元
[トーク採録] 井川淳子
[編集・デザイン] 中根秀夫
[商品仕様] ソフトカバー 32ページ B5変版
2018年1月2日発行
特別価格 1,000 円(税込み)送料別(200円)